はじめに|下顔面のたるみは「影」が老けて見える正体
「ほうれい線が長くなってきた」「口横にもたつきが出てきた」と感じ始めたとき、最初に思い浮かべるのが切るリフト手術かもしれません。しかし現在は、糸リフトやヒアルロン酸、ボトックスといったメスを使わない治療を組み合わせて、下顔面の輪郭を整える方法が主流になってきています。
大切なのは、「どの施術を受けるか」ではなく「ご自身のたるみがどんなタイプか」を見極めることです。本記事では、エルムクリニックで実際にご来院された3名の症例を通して、切らない下顔面改善の考え方と治療プランをご紹介します。
- 下顔面のたるみが「老け見え」につながる本当の理由
- 切らずに改善する3つの治療アプローチ(糸リフト・ヒアル・ボトックス)の役割
- たるみのタイプ別に選ぶ治療プランの考え方
- 実際の3症例で見るBefore/Afterと施術内容
- SNSの治療情報に振り回されないためのカウンセリングの考え方
※本記事はYouTube動画の内容を再構成し、加筆したものです。
下顔面のたるみが「老け見え」につながる本当の理由
下顔面のたるみが気になり始めると、多くの方が「肌のハリが落ちてきた」と表現します。しかし、たるみによって老けて見える本当の原因は、肌そのものよりも、輪郭にできた凹凸が作り出す「影」にあります。
たるみの正体は「皮膚」ではなく「脂肪コンパートメントの下垂」
顔の脂肪は、本来はいくつかのコンパートメント(区画)に分かれて、それぞれが適切な位置に保たれています。年齢を重ねると、コンパートメントを支える靭帯がゆるみ、脂肪が本来の位置から下にずれていきます。
すると目元やこめかみのように脂肪が減ったところには「くぼみ」が、ほうれい線の上のように脂肪が溜まったところには「膨らみ」が生まれます。この凹凸のコントラストが、顔に深い影を落として老け見えを生み出すのです。
たるみは「脂肪・筋肉・骨格・肌質」の複合問題
下顔面のたるみは単一の原因ではなく、いくつかの要素が絡み合って起こります。
- 脂肪:下垂・再配置による凹凸の発生
- 筋肉:咬筋などの発達・張りによる輪郭のもたつき
- 骨格:顎の長さや角度による全体バランス
- 肌質:表面の質感、乾燥・色素ムラなどの乱反射要因
このため、ひとつの治療だけでは十分でないことが多く、原因に応じて治療を組み合わせる必要があります。
切らずに下顔面のたるみを改善する3つの治療アプローチ
メスを使わずに下顔面のたるみを改善する治療は、大きく3つに整理できます。それぞれが担う役割を理解すると、ご自身のたるみに何が必要かが見えてきます。
| 治療 | 主な役割 | 適している悩み |
|---|---|---|
| 糸リフト | 下がった脂肪を物理的に引き上げ、土台を再構築 | 輪郭のもたつき、フェイスラインの崩れ、ほうれい線 |
| ヒアルロン酸 | くぼみや影を「埋めて」凹凸をなだらかにする | 目元のくぼみ、ほうれい線、顎の輪郭形成 |
| ボトックス | 発達した筋肉のボリュームを抑え、輪郭を細く見せる | エラの張り(咬筋)、口角下がり、小顔希望 |
糸リフト|下がった脂肪を「引き上げる」
糸リフトは、特殊な糸を皮下に挿入して下垂した脂肪組織を物理的に引き上げる治療です。下顔面のたるみの大きな原因は脂肪コンパートメントの下垂なので、輪郭の土台をリセットする中心的な役割を担います。
ヒアルロン酸|くぼみを「埋めて」凹凸を整える
糸リフトだけでは埋まりきらない目元のくぼみや、顎のラインを補強する役割を担います。たるみ治療における「足し算の側面」と考えると分かりやすいです。引き上げた後に残る微細な影や、顎先のシャープさが必要な部分に注入することで、輪郭を一本の滑らかなラインへとつなぎます。
ボトックス|筋肉の張りを「抑える」
咬筋(エラの筋肉)が発達して輪郭が四角く見えている場合、糸リフトだけでは期待値まで小さくできません。先にボトックスで筋肉のボリュームを縮小してから、糸リフトやヒアルロン酸で形を整えるのが王道です。1回ではなく数回に分けて、長期プランで進めるのがポイントです。
- たるみは「引き上げる・埋める・抑える」の複合作業
- 原因に応じて治療の比重を変えられる
- 1つの治療だけでは届かない領域を補完できる
- ダウンタイムを分散できる
症例で見る「切らない下顔面改善」3パターン
ここからは、実際にエルムクリニックでご来院された3名の症例を通して、それぞれのたるみタイプに応じた治療プランを見ていきます。
症例1|40代女性|脂肪の下垂タイプ(糸リフト+ヒアル)
40代半ばの女性で、下顔面のたるみを治療したいとご来院されました。輪郭に凹凸ができ、目元には少しくぼみがあって影になり、ほうれい線が少し長く見えるのが特徴でした。たるみの原因は脂肪自体の下垂で、本来の位置から脂肪が下がることで、目元のくぼみとほうれい線上の膨らみという「凹凸の混在」が生まれていました。
治療は、まず糸リフトで下垂した脂肪を元の位置に引き戻し、輪郭の土台を整えました。糸リフトだけでは埋まらない目元のくぼみにヒアルロン酸を左右1本ずつ、さらに顎のラインをシャープに見せるためにヒアルロン酸を1本追加しています。

- 施術内容
- 糸リフト+ヒアルロン酸(目元・顎)
- 施術金額
- 309,400円(税込)
- 副作用・リスク
- 赤み・腫れ・かゆみ・痛み・しこり・アレルギー反応・内出血 等
症例2|20代女性|咬筋発達タイプ(ボトックス→糸リフト+ヒアル、9ヶ月の長期プラン)
20代の女性で、「顔が大きく見えるので小顔にしたい」というご希望でした。当初は糸リフトを希望されていましたが、診察すると脂肪の位置はほとんど変わっておらず、咬筋(エラの筋肉)の張りが顔を大きく見せている主因でした。
そのため、エラボトックスを先行させ、3〜4回に分けて約1年かけて咬筋のボリュームを縮小。下顔面の横幅がシャープになった後で、糸リフトで頬の脂肪を引き上げ、顎のヒアルロン酸でVラインを作るという段階プランを組みました。9ヶ月かけて、ここまで持ってきた症例です。

- 施術内容
- エラボトックス3回+糸リフト+ヒアルロン酸(顎)2回
- 施術金額
- 429,000円(税込)
- 副作用・リスク
- 赤み・腫れ・かゆみ・痛み・しこり・アレルギー反応・内出血
- ボトックスは1回ですぐに小さくはならず、筋肉のボリュームが落ちるのを待つ必要がある
- 咬筋の張りが残った状態で糸を入れても、期待値までシャープにならない
- 「先に横幅を縮め、その後に引き上げる」という順序が重要
症例3|40代男性|美容医療初心者タイプ(スキンケアから段階的に)
美容医療の経験がない40代男性で、「何をしたらいいか分からないけれど、なんとなく綺麗に・若々しく見せたい」というご相談でした。男性に多いパターンです。
いきなり糸リフトのような侵襲のある治療から入るのではなく、まずはスキンケアの見直しと髭脱毛から始めて、肌のベースを整えることを優先しました。マイルドなレチノールから始めて少しずつ濃度を上げ、肌が綺麗になる実感を得て意欲が高まったタイミングで、糸リフトとヒアルロン酸(目元・顎)に進んでいます。
男性の場合、女性のように滑らかすぎる輪郭にすると中性的な印象になることがあるため、糸のデザインを外側メインに置き、顎のラインも「ある程度の角」を残して男性らしさを保つようにしています。

- 施術内容
- 糸リフト+ヒアルロン酸(目元・顎)
- 施術金額
- 439,200円(税込)
- 副作用・リスク
- 赤み・腫れ・かゆみ・痛み・しこり・アレルギー反応・内出血
- 同じ「下顔面のたるみ」でも、原因とアプローチは人によってまったく違う
- 主訴をそのまま施術にせず、「なぜ起きているか」から逆算する
- 長期プランが必要なケースもある(咬筋発達タイプなど)
- 男女差・年代差・美容経験の有無で治療の入り口も変わる
治療を選ぶときに知っておきたい「トータルバランス」の考え方
近年、SNSやインターネットの普及で、「貴族フィラー」「鼻のヒアル」など特定の施術名を指名してご来院される方が増えています。しかし、医師の目から見ると、その施術が必ずしも最適とは限らないケースが多々あります。
「お鼻を小さく見せたい」を例に
「お鼻が大きいから小さく見せたい」というご相談で、貴族フィラー(鼻翼基部へのヒアルロン酸)を指名して来院される方は多いです。しかし、貴族フィラーで期待しているほどの変化は出にくく、鼻筋を高くしたり、顎にヒアルロン酸を入れてEラインを整える方が、結果的に鼻が小さく見えるケースが少なくありません。
顔の美しさは各パーツの相互関係で成り立っています。一部分だけを変えるよりも、全体のバランスを整えることで、悩んでいたパーツが目立たなくなることが多いのです。
カウンセリングは「ざっくりした相談」で大丈夫
エルムクリニックでは初診時に肌診断器で客観的な肌分析を行い、皮脂・乾燥・色素沈着などの状態を数値化したうえで治療プランを組み立てます。「主観」だけでなく「数値」も合わせて見ることで、より精度の高い提案が可能になります。
下顔面のたるみ治療でよくあるご質問
ダウンタイムはどのくらいですか?
施術によって異なります。糸リフトは突っ張り感や腫れが1〜2週間程度、ヒアルロン酸は内出血が出た場合に1週間程度、ボトックスはほぼダウンタイムなしです。複数の施術を組み合わせる場合は、ご予定に合わせて分けて行うこともできます。
効果はどのくらい持続しますか?
糸リフトは使用する糸の種類によりますが半年〜1年半程度、ヒアルロン酸は製剤と部位によって半年〜2年程度、エラボトックスは3〜6ヶ月程度の効果実感が目安です。継続的なメンテナンスで、より自然な仕上がりを保てます。
どの施術から始めるのが良いですか?
たるみのタイプによります。脂肪の下垂が主因なら糸リフトから、咬筋の張りが主因ならエラボトックスから、というように原因に応じて順序を組みます。まずは無料カウンセリングで原因を見極めるところから始めるのがおすすめです。
男性でも受けられますか?
もちろんです。ここ5年で男性の患者様も大幅に増えています。男性向けには、力強さを残しつつ外側を中心に引き上げるなど、女性とは異なるデザインで施術しています。
※効果の感じ方には個人差があります。
まとめ|「光が均等に当たる輪郭」が若々しさの本質
下顔面のたるみは、年齢のせいだけではなく、脂肪・筋肉・肌質の複合的な変化によって起こります。だからこそ、糸リフト・ヒアルロン酸・ボトックスを組み合わせた治療で、メスを使わずに改善することが可能です。
- たるみの正体は「凹凸が作り出す影」
- 糸リフト(引き上げる)・ヒアル(埋める)・ボト(抑える)の3本柱
- 原因によって治療の順序と比重が変わる
- 長期プランが必要なケース(咬筋発達など)もある
- SNSの施術名指名より、原因を見極めるカウンセリングが大事
「ほうれい線を薄くしたい」「なんとなく若く見せたい」といった素朴な悩みからで構いません。エルムクリニックでは医師が直接カウンセリングを行い、ご自身に合った治療プランをご提案します。
※効果の感じ方には個人差があります。
※本記事に掲載している症例の施術金額・副作用情報は仮置きの値です。確定した内容に差し替えてください。
※症例画像はプレースホルダーを使用しています。実際の症例画像に差し替えてください。

